4校の生徒たちに歌唱を指導する多胡さん(左)ら=みなかみ月夜野中(写真 大橋周平)

 群馬県みなかみ町内の全4中学を統合して来年4月に開校予定の「みなかみ中」の校歌が、作曲家・音楽プロデューサーの多胡邦夫さん(48)=高崎市=の作詞作曲により完成した。町の雄大な自然を表現したメロディーと、生徒へのエールを込めた歌詞。多胡さんは自身の「最高傑作」と自負する。16日、ボーカリストの小林李枝さん(39)=伊勢崎市=と共に、みなかみ月夜野中を訪れ、集まった4中学の1、2年生計214人に歌唱を指導し、校歌に込めた思いを伝えた。

 多胡さんは着想を得るため、生徒たちと7月に交流した。統合への不安が目立ったため、曲作りには「これから挑戦し、世界に羽ばたく子の背中を後押ししたい」との思いを込めた。

 完成した校歌は、雪解け水を連想させるメロディーで始まり、〈いざ行こう 晴れわたる空は高く 夢希望はさらに高く 未来を拓(ひら)く鮮やかな風になれ〉などと力強いフレーズが並ぶ。

 生徒を前に、多胡さんは歌詞に込めた思いを一節ずつ解説。「新しい時代に生きる君たちは、みんなと手を取り合って幸せに」、「夢がリアルに見えるのが中学2、3年の頃。失敗を恐れずに踏み出し、飛び込んでほしい」などと伝えた。

 小林さんは伸びやかに歌唱の手本を披露し、後に続くよう促した。最初は声量の小さかった生徒たちも、多胡さんの「サビは少し難しいけど、良い人生が待ってると思って楽しく歌ってくれれば良いから」などの言葉が後押し。生き生きとした歌声を響かせた。

 ともに同校2年の小野ひよりさんは「メロディーが新鮮。(要望の通りに)みなかみの風景が歌詞に入っていてうれしい」と笑顔。宮嶋倖太郎さんは「違う中学の子と会うのは2度目だが、一緒に歌って緊張もほぐれた」と話していた。

 歌唱指導を終えた多胡さんは「生徒たちが歌う姿を見て(作曲の方向が)間違っていなかったと思った」と目を潤ませた。「世界で一番格好いい校歌だと思っている。生徒と一緒に歌えて共感し合えたことは作曲家冥利(みょうり)に尽きる」と感謝した。