▼その所作の美しさに思わず見とれてしまった。沼田市で今月開かれたえびす講の模擬店で、利根実業高生がそば打ちを披露した。40分ほどで水回しから片付けまでを流れるように行う作業は、まるでショーだった。見た目も美しいそばは20日放送されたテレビ番組「くいしん坊!万才」で、松岡修造さんが「金メダル」と絶賛した

 ▼同校は2005年度に新設した食品文化コースの目玉として、そば打ちを授業に導入した。教員や地元愛好会が指導し、素人そば打ち段位を取得した生徒はこれまで132人に上る

 ▼全国高校生そば打ち選手権大会では個人、団体で計5回優勝するなど有数の強豪校だ。全国から注目される「利根実そば」の常時販売を求める声は多い

 ▼一方、同コースの生徒が開発した「えだまメンチ」も認知度が高い。誕生6年目の今では市内外の19店舗で販売され、学校給食にも登場する

 ▼ともに校内にとどまらず、人を呼べる「本物」として実績を上げ、他地域から商品開発を依頼されるようになった

 ▼「行列が行列を呼ぶように、食を通じて地域とのつながりが次々とできている」とコース長の野沢次男教諭(59)。同校にはオリジナルブランド米「お利根ちゃん」もあり、地域と作った名物を提供する生徒運営の食堂設立を夢に描く。実現を応援する行列ができてほしい。