▼玉村中央小であった短歌教室「歌人が学校に!~選歌と講評から学ぶ~」を見学した。歌会始の選者でもある歌人の今野寿美さん(川崎市)が6年生全員の歌を読み上げ、講評していく
▼お題は「豆」「赤」「数を入れる」。児童は事前に作品をまとめて授業に臨んだ。家族や友人、景色、食べ物、年中行事などを表現した作品がそろう。女子は恋の歌もある
▼「言葉遣いがしっかりしていて驚きました」。今野さんにほめられ、児童は少し得意そうだ。「こんな言葉に言い換えてみたら」とのアドバイスにうなずく姿や、指折り数えて文字数を確認する姿もあった
▼県立土屋文明記念文学館の事業で、短歌に触れて創作のきっかけにしてもらうだけでなく、言葉への関心を高めることに結びつくと期待する。本年度は4人の歌人が小中高10校に出向く
▼今野さんはどの歌も良さを見つけてほめる。たとえつたなくみえても、自分の表現が認められると感じてくれれば、継続して短歌に親しむことにつながるとの思いからだ。意欲をそいでしまえば「新しい時代の短歌も広がらない」と話す。新たな担い手が短歌界に与える可能性を信じる
▼12月には子どもたちが短冊に書いた全作品が文学館に飾られる。出品のみ参加する10校分を合わせ、2000首ほどになる。きっとみずみずしい表現に出合えるだろう。