▼どんな衣装で、どんなメークで周りの友達を驚かせようかと、わくわくしている若者が多いかもしれない。明日31日はハロウィーンだ

 ▼例年ニュースになる東京・渋谷の大騒ぎだけでなく、県内も子どもや学生のイベントが広がってきた。今年新たに「たかさきハロウィン2017」が21日に開かれ、太田・ぐんまこどもの国児童会館も28日、マスク作りの工房やパレードを初めて行った

 ▼一方でハロウィーンは人によって好き、嫌いが分かれる。各種アンケートを見ると、嫌いな人は女性より男性に、それも中壮年で多い

 ▼安易に外国をまねているとか、企業の商戦に踊らされているとか、自分もぶつぶつ文句を言っていた一人だ。ただ発祥地の北欧ケルト人の文化に詳しい鶴岡真弓多摩美大教授の著述に接して、ちょっと認識が変わった

 ▼ハロウィーンの10月末は「闇の季節」の入り口に当たり、死者を供養し家に招く。乱暴に理解すると、お盆のイメージに近い。多様な神々に親しむ日本社会には、クリスマスよりも気脈が通じそうに思えるのだ

 ▼関連の推計市場規模は昨年、バレンタインデーを上回る1345億円に達した。先の見えない窮屈な時代だから、時には目的もなく発散する時間を欲するのだろう。満天の星空に響くような、命の力が安らぐような、温かいイベントに育ってほしい。