▼文化庁が21日発表した2016年度国語に関する世論調査で、相手に配慮したコミュニケーションを聞く項目がある。その中で自分と考え方の違う人との意見交換に必要な態度は何かと尋ねている

 ▼「考え方の近い人と話すときよりも、柔軟な態度を取る」が55.5%で最も高い。20代は7割台半ばに上り、年代が上がるに従って低くなる傾向がある

 ▼逆に年代が上がるにつれて高くなるのが「必要最低限の話で済ませ、あまり深く関わらないような態度を取る」で、60代以上は3割台後半になる

 ▼衆院は28日解散された。共同通信の世論調査で森友、加計学園問題を巡る政府の説明に78.8%が納得できないとする中、首相は「丁寧に説明」をしてきたとして所信表明もしなかった。認識の違う国民に対し、柔軟な態度というよりもコミュニケーションを避けているようにみえる

 ▼民進党は公認候補を立てず、小池百合子東京都知事率いる新党「希望の党」に個別に合流するという。二大政党を再びつくるという考えは理解できるとしても、一般の党員や長年の支持者には寝耳に水だろう

 ▼反射神経を競うように慌ただしく政治が動く。目先の結果ばかり求めて戦術に走り、国民との対話をおざなりにしていないか。コミュニケーションの力を重要と考える人は、冒頭の調査で96%を超えている。