▼おおかみ少年のような話だ。「もう下がらない。そろそろ上がっていい頃だ」と思わせながら、県内の土地の価格は25年間、下落し続けている

 ▼19日公表の県内平均地価3万7100円(1平方メートル当たり)は、ピークだった1992年の13万4000円から3分の1以下の水準だ。上昇に転じた大都市圏と地方の経済格差は政治の課題でもある

 ▼一方で有権者の政治参加は「上がってほしい。上がれ、上がれ」と期待されながら、投票率の低迷が続く。18歳選挙権が導入された昨夏の参院選投票率は全国平均の上昇に反し、どうしたわけか本県では下がった。そして今秋、降ってわいたような衆院選である

 ▼無関心層を引きつけるような争点が見えず、早々と投票率低下が懸念されている。むしろ投票率が下がりそうなこの時期を狙い、解散が判断されたとの見方さえある

 ▼投票率上昇と共に民主党政権が誕生した2009年衆院選を振り返れば、政権与党は静かな選挙戦を好む。虚々実々の政治の世界なのだろう

 ▼核の開発で国際社会を威嚇する北朝鮮は、おおかみ少年の域を超えているのだろうか。軽口をたたかせてもらえば、低調な地域経済や投票率を尻目に「上がるのはミサイルばかり」では困る。コップの中で内向きの議席争いをする間、危機管理や外交交渉が手薄になっては許されない。