▼出身中学の同窓会が3日に開いたソフトボール大会に参加した。20代から70代まで350人が秋晴れの下、はつらつとプレー。河川敷のグラウンド8面に歓声が響いた

 ▼古里を離れた同級生も多く、事前の連絡や申し込みにスマートフォンの通信アプリ「LINE」を使っている。昨年までの参加者は「グループ」に登録され、日時や場所がすぐ全員に伝わる。同級生250人に1人ずつ電話連絡する手間が省け、幹事は大助かりだ

 ▼スマホのアプリ「フェイスブック」も浸透している。旅行や身近な出来事を題材に同級生が写真とメッセージを公開し、毎年秋の同窓会はその情報を元に会話が弾む

 ▼こうした便利さとは裏腹に、桐生市内で1日に開かれた高校生向けの講演会で、宝田恭之群馬大特任教授は「スマホにより人と人とのつながり、心の結び付きがバーチャル(仮想)になった。本当の幸福感は得られない」と嘆いた

 ▼自分のフェイスブックを見ると「友だち」は160人、仕事を通じた知人を除くと45人。このうち過去1年間に会って話したのは7人だけだった。確かにインターネット経由で関係は広がるが、結び付きは弱いかもしれない

 ▼とはいえネットで連絡し合い、ソフトボール大会や同窓会で実際に会って旧交を温めるなら、誰も異存はないだろう。両立、使い分けが肝心だ。