三山春秋
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▼北海道のベンチャー企業が先月30日、小型ロケットの打ち上げに挑んだ。高度100キロ以上の宇宙空間到達を目指したものの、約80秒後に通信が途絶え、エンジンを緊急停止。海上に落下した
▼打ち上げは失敗とも思えるが、同社は「データは取れている。非常に満足のいく結果」と前向きだ。「失敗」を冷静に分析し、次に生かそうとの姿勢を頼もしく思った
▼その数日後、名古屋市で開かれたNIE全国大会に参加した。さまざまなプログラムが企画されていたが、女子レスリングの吉田沙保里さんやノーベル物理学賞受賞者の天野浩さんらによる座談会が興味深かった
▼新聞やネット社会、若い世代などについて意見を交わす中、吉田さんがこう発言した。「若い選手に自分で考えない『指示待ち』が多い」。背景にあるのは「失敗が怖い、失敗は恥ずかしいと思う気持ちではないか」との指摘もあった
▼今、主体的に考え、行動する必要性が叫ばれている。教育現場でその傾向は顕著で、次期学習指導要領でも「主体的・対話的な深い学び」が強調された
▼自ら考えて問題を見つけ、解決する力は、今後ますます重要となるだろうが、学校だけで育むことは難しい。失敗から学び、次に生かすとともに、そうした試みを評価する。より多くの人がそんな気持ちを持つことが、近道なのかもしれない。