▼夜空に浮かび上がった青白い星の一群は、ゆっくりと回転しながら優雅に泳ぐエイに、エイはやがて地球に―。5日まで長崎・ハウステンボスで開催された光のショー。星は300機のドローン(無人航空機)だった

 ▼進化を加速するドローン。300機を同時に思い通りに動かしたり、撮影する画像を見ながらコックピットにいる感覚で操作することも可能に。手のひらサイズの機種も登場した

 ▼本紙の県内ニュースに初めてドローンが登場したのは2015年4月。高崎の食品開発会社の事業参入だった。この年は首相官邸の屋上で所有者不明のドローンが見つかったり、県内でも9月に自転車競技会場で落下炎上し、使用自粛が広がった

 ▼だが、災害時に役立つと認知されると、自治体がこぞって導入した。昨年は藤岡市に民間の操縦者養成学校が開校、今年は高崎にドローンの製造販売会社が設立されるなど民間参入が相次ぐ

 ▼「今、経済の主戦場は地上だが、いずれ空になる」。OS開発で参入するクライム(高崎市)の金井修社長は、暮らしや経済へのドローンの影響の大きさを強調する

 ▼ドローンで荷物を配達する実験が国内外で活発に行われている。政府は20年に都市部でも物流に使えるようにする方針だ。頭上をドローンが行き交う光景が、数年後には当たり前になるかもしれない。