▼第99回全国高校野球選手権大会が7日、甲子園球場で開幕する。全国の49代表校が出そろい、本県からは2年連続出場となる前橋育英が、再び深紅の大旗を目指す

 ▼今夏の群馬大会は、4校の連合チームを含め68校65チームが挑んだ。敗れ去っていった64チームの思いと一緒に、聖地では持てる力を十分に発揮して快進撃を見せてくれることだろう

 ▼甲子園切符を勝ち取った後、育英のグラウンドに足を運んでみた。いつもと変わらず練習するナイン。打撃練習を終え、バッティングゲージから出てくる選手と言葉を交わす荒井直樹監督の表情も、いつも通りだった

 ▼「バッティングの際、どの部分を意識しているの」。監督は選手に問いかけて返ってくる答えを聞き、「それいいじゃない」と、おおらかに受け止める。技術的なことはもちろん、選手の考えや普段の行動など、気付いたことを言葉で交わす。長所を褒めて伸ばす指導法だ

 ▼甲子園だからといって、もちろん特別な意識はない。「学校のグラウンドでも、上毛新聞敷島、甲子園のグラウンドも、試合に臨む時の気持ちは同じ」。4年前に全国制覇した指揮官らしい言葉が聞かれた

 ▼注目の対戦相手が決まる抽選会は、あす4日に迫った。4年ぶりの頂点に向け最高のコンディションで大会に入り、県勢の力を全国に示してほしい。