逆向きに音が流れていたため、修正が望ましいとされた高崎問屋町駅の音響案内装置。
反対側から見た装置。スピーカーの向きが逆になっている。

 JR東日本は19日までに、駅のホームで階段の位置を視覚障害者に案内する音響装置について、東京や埼玉、神奈川など11都県の59駅で不適切な向きに設置していたと発表した。線路と直角方向に音が流れてしまい、視覚障害者が誤って線路に向かって歩き、転落する恐れがあった。これとは別に修正が望ましい装置が本県など15都県でも確認された。JR東は特に59駅について「該当する装置は使用を停止し、順次適切な状態に是正する。ご心配を掛け、深くおわびする」としている。

 JR東によると、装置はホームから出口に通じる階段の位置を案内するため、階段の開始部分の上に設置され、鳥の鳴き声を模した音などを流している。公共交通機関のバリアフリーに関する国土交通省のガイドラインでは、線路と平行な方向になるよう十分配慮するとされている。

 視覚障害者は音の聞こえる方向に沿って歩けば階段にたどり着くと判断する。このため線路と直角の方向に設置すると、線路に向かって歩きだしてしまう危険性がある。担当部署はガイドラインを知ってはいたが、装置の向きの重要性に関する認識が不足していた。

 装置を不適切な向きに設置していた駅のホームには全て点字ブロックが整備済みで、JR東は今回の誤りが原因で転落した事故は把握していないとしている。

 59駅のうち東京の渋谷と田町の両駅は修正済み。資材調達などの問題で全てを直し終えるのは来年度以降になる見通し。

 このほか、ガイドライン違反ではないとするが、修正した方がいい装置が確認された駅が、本県の上毛高原、高崎問屋町の2駅を含む15都県に68駅あり、同時に作業を進める。

 高崎問屋町駅は装置のスピーカーが本来望ましい方向とは反対に当たる階段、エスカレーター側を向くように設置されていた。同社高崎支社は「適切で分かりやすい案内をするために修正する」としている。

 JR東では2003年から装置を導入し始めた。いつから不適切な向きだったのかは不明。1日3千人以上が利用する駅が主な設置対象で、今月時点では637駅にある。