三山春秋
- 最初の記事:2012/06/25【三山春秋】ゆるいマスコット・キャラクター・・・
- 前の記事:2017/06/28【三山春秋】ロックバンド「ザ・ブルーハーツ」の結成は1985年。最後のアルバムを出して解散した95年からも…
▼桐生市街を巡ると、同市出身の女優、篠原涼子さんのポスターをあちらこちらで見かける。ほぼ全面に篠原さんが写り、魅力的な表情で見つめている。桐生市のイメージを向上させようと、同市が2015年に作製し、商店街や企業に配布した
▼このポスターについて、脳科学者の茂木健一郎さんが異議を唱えた。24日に市内で行った講演で「どうして東京で活躍する彼女を取り上げるのか。現在の桐生市の魅力と関係がない」というのだ
▼茂木さんは各旅先で10キロ走りつつ、自身の目で街の魅力を確かめている。同市を度々訪れており、織物で栄えた街ならではの歴史的な建物を「すごくいい。桐生にしかない魅力がある」とたたえた
▼桐生に限らず、どこの市町村にも路地裏、店などの一つ一つに個性があるとし「『うちの街には何もない』なんて事は絶対にない。地域に誇りを持つべきだ」と語った
▼篠原さんのポスターはこれまで市民にも市外の人にも好評だった。新聞やテレビで度々取り上げられ、桐生の知名度アップに一役買った。効果は確実にあったと思う
▼ただし、古里の個性を大事にすべきだという茂木さんの意見に、異論の余地はない。旅先といわず、まずは住み慣れた古里を走ってみよう。一人一人が誇らしい魅力を見つけて広めることで、街の未来が変わるかもしれない。