▼富岡市近隣の23の養蚕農家や企業が飼育する
▼浅井さんは2013年から2年間、青年海外協力隊員としてネパールで活動。昨年春から夏にかけて養蚕農家に師事し、桑切りや給餌、蚕室の温度管理など飼育技術を一から学んだ
▼蚕を蔟に上げた日、浅井さんは予期せぬトラブルに見舞われた。回転蔟3セットをつるすくぎが約1200匹の蚕の重さに耐えられず破損した。「実際にやってみないと分からない。失敗もいい経験」と太いくぎを打ち直した
▼農家の高い技術力と、さまざまな作業の結果が最終的な繭の品質に影響することを痛感。農家研修の作業日誌を見返し、16日ごろの繭出荷に向けて気を引き締めている
▼「富岡製糸場と絹産業遺産群」は生糸の大量生産をもたらした養蚕、製糸の技術革新や世界との技術交流を物語る価値が認められ、世界文化遺産に登録された
▼どんな天候や環境でも、失敗が少なく高品質な繭を大量生産しようと、先人が蚕の一代交雑種を開発し、飼育技術を高めた。絹遺産とともに、最先端の養蚕技術を若い後継者が引き継ぐ意義を再認識したい。