▼木々の緑を楽しみに榛名山へ車を走らせた。澄んだ空気を感じる心地よいドライブは榛名湖に近づくにつれ一転した。霧である。どんどんと霧は深まり、ほんの数メートル先も見えず運転に支障が生じるほど

 ▼同乗者が思わず「ホワイトアウト」と叫んだ。強い地吹雪などで辺りが白一色になり、視界が遮られる現象をテレビか本で見たのを思い出したらしい

 ▼前橋地方気象台によると、霧の発生はいくつかの要因があり、どこでも見られるが、地形的には川や湖の近く、山と山の間が要注意。高い山の場合、湧き出した雲の中にすっぽりと入ってしまうこともあるという

 ▼「山と山の間」と聞き、関越道上り線赤城インター付近で起きた20年以上前の濃霧による多重玉突き事故を思い出した。たびたび通行止めとなり「霧の名所」と悪評のあった場所での大事故とあって今も記憶している

 ▼周辺は視線誘導灯や路上照明灯の設置など対策が進み、東日本高速道路高崎管理事務所で記録をさかのぼることのできる2010年以降、通行止めは1回だけになった

 ▼ハードは整っても、運転するのは人。日本自動車連盟群馬支部は細心の注意を説く。高速道は別として安全な場所に回避し、立ち止まることも大切。霧走行時の心得は、日々の暮らしで霧の中にいるごとく進路に迷った時にも役立つだろう。