中国企業傘下での経営再建を目指すサンデンHDの本社=12月14日

 コロナ禍の影響が続いた2021年。群馬県関係企業には、さまざまな動きが見られた。自動車部品製造のサンデンホールディングス(HD、伊勢崎市)は3月、中国電機大手、ハイセンス(海信集団)グループ傘下での再建を発表。現在、海外拠点の再編など構造改革を進めている。群馬県に国内唯一の自動車生産拠点を置くSUBARU(スバル、東京都)は世界的な半導体不足に加え、東南アジアの新型コロナウイルス感染拡大に伴う部品調達難により、4月と9月の2度にわたり生産ラインの停止を余儀なくされた。

 サンデンHDは近年、構造改革や中東からの撤退などで多額の損失を計上。新型コロナ感染拡大の影響もあり、20年6月には私的整理の一種「事業再生ADR」を申請。支援企業を探した。

 コロナ下で支援企業探しは難航したが、ハイセンス側が214億円の第三者割当増資を引き受けて同HD株の75%を取得。同HD側は金融機関から630億円の債務免除を受けて経営再建を進めている。

 ハイセンス入り後の変化について同HDと取引する企業経営者は「意思決定が早くなった。われわれもスピードに付いていかなければ」とする。仕事がしやすくなった部分もあるが、電気自動車(EV)対応が進む中、取引先となる日本の工場が今後も中核であり続けるのか心配もあるといい、「工場の行く末はグローバルな拠点の再編で決まることなので祈るしかない」と不安を口にした。

 同HDの構造改革では、海外拠点の再編の他に、12月末を退職日とする国内での早期退職の実施も発表された。希望退職は3回行ってきたが早期退職は初めて。22年1月には、完全子会社8社を吸収合併するなど組織再編をして持ち株会社から事業会社に移行する。自動車産業で急激なEVシフトが起こる中で、新しい環境に対応した事業構造の変革を成し遂げられるのか、県内関係者が固唾(かたず)をのんで見守っている。

 新型コロナは自動車メーカーにも大きな影響を与えた。世界的な半導体不足や東南アジアでのロックダウン(都市封鎖)による部品不足で、スバルは群馬製作所の生産を4月と9月に一時停止。世界生産計画を2度下方修正し、当初計画より17万台少ない86万台とした。

 同社は北米など消費者の需要は旺盛だとし、一刻も早い生産の回復を急ぐ。取引のある企業の経営者は「受注量が減っていて厳しいが、今後の挽回生産を期待したい」と来年を見据えた。