▼「音楽のある街・高崎」らしい大型連休の幕開けだった。4月29日、群馬交響楽団の野外演奏会「森とオーケストラ」が高崎・群馬の森で開かれ、大勢の人がクラシック音楽に親しんだ

 ▼1978年に始まった野外演奏会。当時、園内は静かな場所であるべきだとの意見が強かったが、「市民に『群響』を身近に感じてほしい」という高崎青年会議所メンバーらの熱意によって開催にこぎ着けたとされる

 ▼その後も、高崎市民をはじめ多くの人たちの協力で野外演奏会は継続。荒天で中止となった2年を除けば大型連休中に毎年、クラシック音楽に触れられる絶好の機会となってきた

 ▼今年、演奏会を懐かしそうに見つめる姿があった。前橋商業高校吹奏楽部員だった39年前、第1回時に群響に交じってトロンボーンを演奏した亀井保さん(56)だ。「緊張の中で群響と演奏ができ、演奏後は何とも言えぬ達成感があった」という

 ▼亀井さんの長女、美穂さん(30)はコントラバス奏者。群響にエキストラとして時折加わっており、1度きりの思い出を大切にする父以上に「群馬の宝」を間近で感じている

 ▼2018年度に新たな活動拠点となる「高崎文化芸術センター(仮称)」が完成予定の群響。その存在を愛し、支えてくれる多くの人の期待に応え、さらに磨かれた演奏を聴かせてもらいたい。