新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、1年以上がたちます。東京では3度目となる緊急事態宣言が発令されました。気候も良いのに外出できず、親しい人とも会えない日々でもどかしさが募るばかりです。その影響はレジャーや美容、買い物、学習、医療といった日常生活に新しい流れをつくりつつあります。

 新しい流れといえば、最初に思い浮かべるのは「オンライン化」ではないでしょうか。在宅ワークやZoom飲み会といった言葉も当たり前になってきました。

 私のスクールでもオンライン化を取り入れ、エピテニストを目指したい女性限定で4月にオンラインレッスンを始めました。物理的な距離がなくなった分、生徒も講師も負担が軽減され全国や世界中の方と簡単に交流することができ、新しい発見と可能性の広がりを感じています。半面、エピテーゼ製作に関しては対面でしかできない難しさがあります。

 コロナ下で人と交流しにくいこともあり、事故や病気で身体の一部をなくされた後の、ちょっとした相談が誰にもできず孤独に感じている方も少なくないように思います。指先の欠損で悩まれている方からは「悩みや不安を共有できなくてつらい」「病院に行って相談するまでもないけれど誰かに相談したい」といった声が寄せられています。乳がんのお客さまは交流できる場所はあるものの、「もっと前向きに楽しい生活を送れる情報や仲間が欲しい」などと要望しています。

 これらは母数が小さいため認知されていませんが、孤独となる原因要素で、社会課題と言えるでしょう。

 私はエピテーゼを通じて、豊かで前向きな生活をデザインすることが役目だと思っていますので、課題解決の新しい取り組みとして夏ごろを目標に「オンラインサロン」を展開していく予定です。

 サロンでは参加者一人一人が主役となります。メンバー同士、「前向きになれた」「成長できた」「これで何かできそうだ」と思った人たちが対話を重ねながらアイデアを育て、応援し合って自己実現をかなえる場にしていきたいと考えています。

 メンバーは体の一部を欠損されてしまった当事者やその家族、エピテニストを目指す生徒をはじめエピテーゼに関心がある方を軸にします。さらにアピアランス(外見)ケアに携わる美容部員や看護師、ネイリストといった専門職が集まって情報を共有し、成長していけたらと願っています。

 人はいつの時代も、自分が居心地が良いと感じる場所や、自己成長と自己実現をかなえるために挑戦し成長できる仲間とのつながりを求めているものです。オンライン化によって、それが手に入れやすくなってきたのかもしれません。



エピテみやび社長 田村雅美(甘楽町善慶寺)

 【略歴】エピテニスト。2017年、事故や病気で指や乳房などを失った人向けの「エピテーゼ」(人工ボディー)を手掛けるエピテみやびを起業。元歯科技工士。

2021/5/25掲載