三山春秋
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▼朝、起きぬけに飲むコーヒーは目覚ましの役割を果たしてくれる。また、仕事や作業に根を詰めた昼すぎの1杯は気分転換にうってつけだ
▼だが、この1杯がアフリカのヒョウを絶滅の危機に追いやるかもしれないと知ったら、焦げ茶色の液体は一層、苦みを増すかもしれない。日本人が消費する食べ物や木材などの生産に伴い、世界各地で希少な動植物が減少しているという
▼信州大の金本圭一朗講師(環境経済学)らが国際自然保護連合などのデータを使い、約7千の絶滅危惧種を調べた結果、日本の輸入は792の動植物に打撃を与えていることが分かった
▼日本にも多くが輸入されているエチオピア産のコーヒーはそれを生産するための農地の開発でヒョウやアフリカゾウの生息地が圧迫されていた
▼「生物多様性に配慮しています」とコーヒーに表示があれば、それを選ぶ人は多いはず。生態系の保全に関心がある人なら、絶滅危惧種への影響がより少ない方を選択するだろう
▼県が生物多様性に関し、新戦略を打ち出そうとしている。尾瀬など県内3カ所のラムサール条約湿地や各地の豊かな自然を活用しながら守るなど五つの戦略目標を立てて、多様な生態系の維持に努める。豊かな自然を将来に引き継ぐことができるか否かは、コーヒーと同様、活用する県民に負うところが大きい。