▼県内各地で上毛かるたの大会が開かれ、熱戦を伝える記事が紙面をにぎわせている。2月5日には前橋市内で県大会があり、地区予選を勝ち抜いた小中学生が集結する
▼今年で誕生から70年になる上毛かるたは広く県民に浸透している。競技や遊びを通じて知らず知らずかるたに親しみ、大半の人が札をそらんじることができる。他県の人から驚かれることも多い
▼郷土の歴史や人物、名所、名物の多様さを改めて教えてくれる上毛かるただが、民間調査会社の都道府県別魅力度ランキングで、本県は下から3番目だという。誇れる魅力はたくさんあるのに、どうにも納得いかないと前から思っていた
▼本紙オピニオン委員を務める茨城大准教授の牧山正男さんの視点(昨年12月28日付)を読み、思わず膝を打った。ランキングは数の論理に左右され、「こんなのに一喜一憂するのは愚の骨頂」と指摘
▼さらに「消滅可能性都市」という言葉にもかみつく。人口減少が進んだ地域に対するレッテル貼りだとし、「そこに住み、その地を愛する方々に敬意を払うなら、『消滅』などという言葉は普通使わない」
▼牧山さんは全国で消滅可能性が最も高いとされた南牧村の事例を紹介する。かねて過疎化と闘ってきた中山間地は少子高齢化対策の先進地とも言える。地域発の地道な活動に目を向けたい。