▼木の柱を何本も並べたしゃれた建物のドアを開けると、木くずの独特なにおいが漂ってきた。国指定史跡の箕輪城跡(高崎市箕郷町)に設置されている水を使わない「バイオトイレ」だ

 ▼洋式の便座の下におがくずがあり、利用者が便座から離れるとセンサーで自動的に交ぜ合わされ、し尿が分解される。史跡の地下遺構を保護するために大規模な掘削を必要としないことから市が導入。以前のくみとりの和式便座に比べ好評という

 ▼市内では国指定特別史跡の上野三碑こうずけさんぴのうち、山上、金井沢の両碑(ともに山名町)の最寄り駐車場に温水洗浄便座の付いたトイレが整備されている。時折訪れるが、マナー違反は確認していないし、丁寧に利用されているようだ

 ▼今思うとおかしいことだが、小学校時代、校内トイレで大便をするのが恥ずかしかった。小便器の前に立たずに個室に入るのを友人に見つかるとからかわれ、幼心に深く傷ついたことを覚えている

 ▼県教委は昨年、公立小中学校のトイレで洋式便器が占める割合を初めて調査した(4月1日時点)。平均は46%で、最も割合が高かった中之条町の96%に対して最低の昭和村は29%だった

 ▼一般の住宅で和式便器が減少しているのを背景に、校内で和式の使用をためらう児童生徒が存在する。子どもたちのために洋式化を積極的に推進してほしい。