▼小正月に当たる15日前後には、豊作を祈る伝統行事が各地で開かれている。一昨日は中之条町で「鳥追い祭り」があり、町民らが太鼓を打ち鳴らして五穀豊穣ほうじょうを願った

 ▼祭りの起源は太鼓の紀年銘から250年余までさかのぼることができる。顕著な特徴を持つ鳥追い行事として、一昨年、県重要無形民俗文化財に指定された

 ▼一時中断もあったが、多くの困難を乗り越え、守り続けることができたのは、地域に欠かせない宝なのだという町民の強い思いが支えとなったのだろう

 ▼年明けから、伝統の意味を考えさせられる出来事に相次いで接した。前橋市では、初市まつりの創始400年を記念した刀剣鍛錬の儀式や初代前橋藩主の追善式が行われたが、その場に立ち会い、刻まれた歴史の重みを実感できた

 ▼一方、高崎市では、200年近く続いているとされる少林山達磨寺の七草大祭だるま市は、関係団体が、条件が折り合わないなどの理由で出店を見送り、だるま販売は大幅に縮小された。参拝者は残念がり、大祭への愛着を語っていた(7日付本紙)

 ▼今回から別の会場で「高崎だるま市」を開催した高崎市は新たな伝統をつくりたいという。しかしその前に、培われた伝統、文化のために融和はできないのだろうか。蓄積されたもののかけがえのなさを踏まえて、よりよい道を考えたい。