22日午前11時ごろ、群馬県桐生市の山林で上空約50メートルを飛行していた民間ヘリコプターから、NHKの中継施設工事のため運搬していた生コンクリートが落下した。重量800~900キロほどが上空から飛散したとみられる。けが人や建物などへの被害はなく、機体の損傷もなかった。運輸安全委員会は事故につながりかねない重大インシデントに当たるとして航空事故調査官3人の現地派遣を決めた。

 国土交通省やNHKによると、ヘリはベル式412型で、同市の場外離着陸場を拠点に専用の容器に入れた生コンをつり下げ、同市の桐生梅田テレビ中継放送所に運んでいた。

 運航する朝日航洋(東京都江東区)によると、操縦士と整備士の計2人が搭乗。離陸上昇中に容器の生コンがなくなっていることに気付いたという。容器の開閉部に隙間があった。

 離着陸場を提供した市有施設などによると、同放送所に設置されているアンテナを更新する工事のため、6日と21、22の両日にヘリが離着陸していた。

 近くの40代男性は「今日も何度かヘリが上空を往復する姿を見ていたが、落下と聞くと怖い。民家などに落ちなくて良かった」と話した。

 桐生署によると、落下したのは同市梅田町の梅田湖西側の山林とみられる。工事関係者から通報があった。けが人や住宅、道路などへの被害は確認されていない。22日午後も湖周辺は普段と変わらず静かで、県道上藤生大洲線を車が行き交っていた。

 NHK広報局は「事故の状況などについて把握を進めるとともに、施工会社などに対して安全管理の徹底を求めてまいります」とのコメントを出した。朝日航洋は「関係者に多大なご迷惑、ご心配をかけ深くおわびします。早急に再発防止策を図り、より一層の安全運航に努めてまいります」としている。