今年も自転車ロードレースの国内最高峰レースが開幕しました。本県唯一のプロロードレースチーム、群馬グリフィンもシーズンイン。各地で行われる19ステージを転戦し、チームポイントと個人表彰台を目標に戦います。

 自転車のロードレースといっても形式はさまざまです。開催される地域や国の道路事情に左右され、その土地に合ったレースが行われているように感じます。自転車ロードレースが盛んな欧州では数々の伝統的なレースがありますが、ほとんどが一般道を使用した街から街へのレースです。「自転車で移動する、旅をする」という本来の用途に最も近い自然なスタイルです。「あそこの街まで競争だ!」。そんなシンプルな思考では到底たどり着けないであろう過酷な道のりに、多くの人が熱狂し、その時ばかりは足を止めてレースを見守ります。

 至る所で通行止めが起こるレースが各地で開催されていますが、日常として当たり前のように受け入れられています。日本では迷惑とも受けとられがちなそんなスポーツが彼らの楽しみとなっているのも、サイクルスポーツが幅広い層に熟知され、愛されているからでしょう。

 県内でも多くの人に親しまれ、大規模な交通規制の下に開催されるレースがあります。元日に行われるニューイヤー駅伝です。国民的競技として人気の高い駅伝やマラソンと同等の関心がサイクルスポーツにも集まれば、日本独自のレース形式で根付いていけそうな気がします。

 前橋ではおととしまで前橋クリテリウムという自転車ロードレースが開催されていました。県庁前をスタートし、約3キロのコースを何周も走ります。ハイスピードでスリリングなレースでしたが、残念ながら現在は開催されていません。この短時間高強度のレースは日本の道路事情に合っていたように思います。なにかと向かい風が衰えない今ですが、ぜひ復活させたいところです。

 24日に、日本を代表する自転車サーキットの群馬サイクルスポーツセンター(みなかみ町)でプロレースが開催されます。ロードレースファンなら目をつぶっても走れるほどの名物サーキットで、僕自身も何百周もして走路のアスファルトに溶け込みそうなくらいなじみがあります。群馬グリフィンはホストチームという立場になりますので、ぜひともかっこいい姿をお見せしたいと思っています。

 ただ、多くのサイクリストが訪れても、見る機会がなければ認知されない、好きになってもらえないのです。前橋を自転車の街とするならば、ロードレースは公道で開催されるのが理想です。まずは多少の摩擦がある中でも開催し続けていくことが、地域とこの素晴らしいスポーツをつなぐのではないでしょうか。



群馬グリフィンレーシングチーム監督 渡辺将大 沼田市桜町 

 【略歴】前橋育英高で自転車ロードのナショナルチーム入り。中央大で学生ロードランキング1位。大学を中退して豪州留学。帰国後、サイクルショップタキザワ入社。

2021/04/17掲載