▼世界地図を開いてみると、南米大陸の東海岸線とアフリカ大陸西海岸線の形がよく似ている。なぜこんなにも似ているのか

 ▼ドイツの気象学者ウェゲナーが1915年刊行の主著『大陸と海洋の起源』で提唱することになる 大陸移動説の出発点だった

 ▼彼は地質学や古生物学、古気候学などの資料をもとに、地球には大昔、ただ一つの巨大な大陸「パンゲア」があり、これが分離・移動して現在のような大陸の分布になったと主張した

 ▼当時の人々は巨大な大陸を動かす力が思いつかなかったため、大陸移動説は冷たい扱いを受けたが、後に「プレートテクトニクス」と呼ばれる理論に発展、主著出版から100年後の今日、高い評価を受けている

 ▼プレートテクトニクスは、地球表層部で起こる地震や火山噴火、造山運動など 地学現象の原因やメカニズムを地球表面を覆うプレート(板)の水平運動で説明する考えで、プレート運動は 地球の極端な温暖化や寒冷化を防ぐ上で大きな役割を果たしていることが明らかになっている

 ▼地球温暖化防止のため採択された「パリ協定」は、世界各国が小異を捨て大同につく新しい姿を描いた。ウェゲナーを出発点とする地球の成り立ちの解明も危機克服に一役買っているとすれば、生前冷遇されたウェゲナーも快哉(かいさい)を叫んでいるに違いない。