▼日本で今、元気があるものの一つは「観光」と言えるだろう。今年1~11月の訪日外国人旅行者は推計1796万人で過去最高を更新。2020年までに年間2000万人とする政府目標が視野に入る勢いだ

 ▼訪日客急増を受けて、政府は来年度の観光庁予算案を本年度(99億円)から倍増の約200億円として、受け入れ態勢の整備を急ぐ方針。概算要求額(142億円)を大幅に上回る異例の措置となる

 ▼こうした追い風を背景に、地方創生の一環で自治体が策定する総合戦略でも威勢のいい数字が並ぶ。みなかみ町は19年度までの5年間目標で、外国人宿泊者数を昨年度から約7倍の8万人と打ち出した

 ▼力を入れるのは台湾だ。1400人、2100人、3600人と昨年度まで右肩上がりで伸びている。友好都市協定を結ぶ台南市に2年半前から職員を派遣し、観光交流の布石を打っている

 ▼渋川市も伊香保温泉の19年度外国人宿泊客目標を昨年度の3.5倍に設定するなど、観光振興をまちづくりの柱とする自治体が多い

 ▼訪日外国人をいかに引き寄せるか。官民ファンドのクールジャパン機構社長の太田伸之さんは「自国では得られない体験ができること」と説く。大都市や伝統的な観光地に集中する現状を打破するためには、“その土地ならでは”を追求し、どう情報発信するかが鍵となる。