▼「私たちは需要を見誤っていたのかもしれない」。周辺に多くのスキー場を抱える嬬恋村のホテル関係者から聞いた言葉が印象深い

 ▼ウエアを着てゲレンデに向かうのではなく、やや厚めの冬支度で 雪遊びを楽しむファミリー層の伸びが著しいという。ホテル周辺のちょっとした空間があればいい。銀世界を体験するだけで十分満足してくれる

 ▼減少するスキーヤーの掘り起こしに目が向いていたが、宝の山は別のところにもあった。一方でキャリアの長いシニアのスキーヤー、自然の雪山に入るバックカントリーを楽しむ宿泊客もいる。のんびりした雪遊びと本格志向、ニーズの二極化を実感している

 ▼バブル景気や交通網整備も後押しとなり、1980年代から90年代、スキーブームはピークを迎えた。「この道は全然動かなかったよ」「寒い中、よくリフトに並んでたね」。当時の熱気を体験した利根沼田、吾妻の人たちは懐かしそうに振り返る

 ▼ゲレンデには人があふれ、誘客へ大型投資も行われた。ただ団体から個人へとシフトした温泉業界同様、時代とともにビジネスモデルの変革も求められている

 ▼県内スキー場が、天候をにらみながらオープンのタイミングに気をもむ時季となった。北毛の貴重な観光資源である「雪」を生かすヒントは、まだまだ埋まっているかもしれない。