▼目を見張るような美しい風景を紹介した絶景本の帯には「一生に一度は見たい」といった宣伝が多い。世界の景勝地から極地まで掲載場所はなかなか遠い。だが到達困難なほど「いつかこの目で」と憧れは強くなる

 ▼その意味で代え難い絶景だろう。「地球の平原から太陽が上がると、金色に大気が光ってものすごくきれいです」。1994年、宇宙飛行士の向井千秋さんが初めて宇宙滞在した際、出身地館林市の中学生との無線交信で話した

 ▼昨年は宇宙に行った民間人が初めて飛行士を上回った。宇宙旅行時代の幕開けと思うとロマンがある。とはいえ100億円とも言われる費用は途方もなく、庶民にははるか遠い

 ▼そこに新たな道が開いた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が13年ぶりに宇宙飛行士の募集を始めた。学歴は不問にし、3年の社会人経験があればいい。任務は月面着陸。誰もが宇宙を目指せるとなれば、一気に夢が膨らむ

 ▼向井さんがかつて本紙のインタビューで語っている。「自分が好きなこと、やりたいことにどんどん取り組んでほしい。ぜひ夢を追い求めてください」

 ▼新しい年を迎えた。心機一転、新たな挑戦を心に期す人もいるだろう。学業やスポーツだろうか。転職して宇宙飛行士を目指すもよし。コロナ下だからといって立ち止まってはいられない。困難な挑戦の先にそれぞれの絶景を見つける年にしたい。