▼桐生市の梅田湖がワカサギ釣りの太公望でにぎわっている。今年は9月の台風による影響でポイントが絞れず、上手な人で釣果は200匹ほど。水温が低下するこれからが本番だという

 ▼梅田湖を県内一の釣り場にしようと、両毛漁協は3年前、新たなふ化方式を導入した。それまではシュロの繊維に受精卵を付着させて湖に沈めておく方式だったが、ふ化率の低さが課題だった

 ▼新方式は大きな筒型の装置に水を循環させて受精卵を管理する「諏訪湖方式」。県水産試験場の調査によると、ふ化率はシュロ枠方式の15%に対し、諏訪湖方式は91%。データを裏付けるように、梅田湖は豊漁が続いている

 ▼ワカサギは赤城大沼や榛名湖など各地にいるが、実はすべて放流魚。県内では1977年に行人沼(板倉町)で捕獲されたのを最後に絶滅してしまった。城沼と多々良沼(館林市)にもいたが、城沼は47年の捕獲が最後だ

 ▼県レッドデータブックによると、絶滅した魚類はワカサギやシナイモツゴなど計7種。湖沼環境の変化、工場排水の流入など原因はさまざまだが、このほかにも絶滅が心配されている魚種は多い

 ▼われわれの暮らしは多様な生物が関わり合う生態系から得られる恵みによって支えられている。バランスを崩したら、戻すのは容易ではない。小さな変化を見過ごしてはならない。