▼国連の専門機関として国連教育科学文化機関(ユネスコ)が発足してからきょうで69年。第2次世界大戦の教訓を踏まえ、教育、科学、文化の協力と交流を通じて国際平和と人類の福祉を促すのが目的だった

 ▼そのユネスコが先月、中国が申請した「南京大虐殺」の資料を世界記憶遺産に登録し、日本が猛反発したことは記憶に新しい

 ▼透明性を欠く登録過程も猛反発の背景にあるが、日本が申請して登録が認められた大戦後のシベリア抑留資料をめぐってはロシアが批判を強めている

 ▼国際平和と人類の福祉を促すべき国連の専門機関が制度の不備もあって新たな外交摩擦を生み出す。そんな皮肉が生まれるのも当事国相互の歴史認識の隔たりが大きいからだ

 ▼1日に日中韓3国の首脳会談が、2日には日韓首脳会談が相次いで開かれた。同じ東アジアにありながら、ともに約3年半ぶりの開催。日中は沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題、日韓は旧日本軍による従軍慰安婦問題が首脳同士の顔合わせを阻んできた

 ▼日中韓首脳会談では歴史を直視し、未来に向かうとの精神の下、協力強化を宣言。日韓も従軍慰安婦問題についてできるだけ早期の決着を目指すことで一致したが、歴史の直視の仕方が三者三様のままならば、関係改善はおろか、来年の日中韓首脳会談の日本開催もおぼつかない。