▼フランス産ワインの新酒「ボジョレ・ヌーボー」は毎年11月の第3木曜日に解禁される。ことしは19日がそれに当たるが、新酒を心待ちにしている人にとっては気になる話だろう。欧州の産地に異変が起きているという

 ▼これまで寒冷な気候でワイン造りに不向きとされてきた北欧スウェーデンでブドウ栽培が拡大、酸味が強めの独特の味が評判を呼べば、山国スイスでも年々品質が向上しているとか

 ▼これに対して、伝統的な産地である南欧スペインやイタリアでは品質低下や干ばつに苦しめられており、産地異変の背景に地球温暖化があるとみて、スペインでは畑を標高の高いところに移す農家もあるという

 ▼温暖化が農林水産業や暮らしなどさまざまな分野に大きな影響を及ぼすことが指摘されて久しい。日本の農業分野に限ってみても、高温に弱いコメや果樹は既に品質低下などの影響が表れている

 ▼温暖化対策は世界各国が温室効果ガスをいかに削減するかにかかっているが、これまでに約150カ国が表明した目標を足しても、深刻な被害を避けるのは難しいとされている

 ▼このため、政府は被害を最小限に抑える適応計画を来月末からの気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に向けて策定中だ。それは気温上昇と向き合う21世紀日本の国づくりの指針となる。