オンラインで大会への意気込みを語る粂原さん

 小倉百人一首競技かるたの日本一を決める第68期名人位決定戦が8日、かるたの聖地、大津市の近江神宮で開かれる。昨年3連覇を果たした名人位で群馬県安中市出身の塾経営、粂原圭太郎さん(30)=京都市=が決戦に臨む。名人戦以外の大会などに出場して実戦経験を積んだり、競技で使用される百人一首の和歌を学んだりして自身のかるたを見つめ直した。「目の前の1戦、1枚に集中していきたい」と準備は万全だ。

 粂原さんは2019年1月に群馬県出身で初の名人になり、3期連続で名人位を保持している。昨年の名人戦以降も新型コロナウイルスの影響は続いたが、競技中のマスク着用や人数制限が定着して大会の開催が徐々に緩和された。

 粂原さん自身も約1年ぶりに複数の大会に出場し、11月に和歌山県で開かれた国民文化祭では京都府チームを初優勝に導いた。名人戦に向けても、京都大の1年先輩で現クイーン位の山添百合さん(30)=京都府=ら全国の実力者と試合を重ねる。

 新しい試みも始めた。競技のルーツの和歌に目を向け、和歌に精通する国文学者の知人に百人一首の歌や作者について学んだ。競技では札を取るための「音」が重視されがちだが、古人が恋や人生を詠んだ歌に込めた意図や背景への理解を深め、百人一首の魅力を再確認した。「和歌を学んで一首一首への思い入れは強くなったように感じる」と手応えを語る。

 決定戦の対戦相手は名人位初挑戦となる川瀬将義さん(27)=静岡県=で、素早い取りが持ち味。粂原さんが初めて名人位を奪取した年の挑戦者決定戦などで対戦したことがある。「速いだけでなく、当時より円熟味が増している」と分析する。ただ、これまでは対戦相手の研究に重きを置いてきたが、戦術などが強みの自身のかるたを貫くことに集中して決戦に備える。「相手のスピードに対応しながら、それ以外のところでも圧倒したい」と4連覇へ自信をのぞかせる。

 全日本かるた協会(東京都)によると、感染防止対策として、大会では昨年と同様に観覧人数を例年の半分程度に制限し、換気や畳の消毒を徹底する。出場者は試合中マスクを着用し、かるたの読み手の前にはアクリル板を立てるなど対策を講じる。