▼「昔は好きとか嫌いとか、当人同士の意思は関係ない。私は結婚式で初めて相手の顔を知った」。100歳近い女性への取材で結婚の経緯を聞いた際、戦前とはいえ、そこまで違うものかと驚いた

 ▼鎌倉時代に始まったとされる見合い結婚は身分や家柄を重んじ、政略的な思惑が絡むことも多かった。江戸時代には庶民に広がり、戦前まで大半が恋愛ではなくお見合いで結婚していた

 ▼そこで活躍したのが、縁談を持ち込む近所や親戚のおじさん、おばさん。そんなイメージなのだろう。少子化対策を話し合う内閣府の有識者検討会が、地域で結婚支援をするボランティア「おせっかいさん」の養成を軸とする政府への提言をまとめた

 ▼2015年版「少子化社会対策白書」の意識調査によると、20~30代の恋人がいない未婚者の4割が「恋人が欲しいとは思わない」と答え、「恋愛が面倒」「趣味に力を入れたい」といった理由が目立った

 ▼周囲任せでいいというわけではないが、恋愛に積極的でない人が多いなら、「おせっかいさん」が奮闘する余地も多分にありそうだ

 ▼婚活イベントなど恋愛や結婚に行政が関わり始めた時には「そこまでしなくても」という違和感もあったが、少子化対策は今や担当大臣も定着した重要課題。地域や国を支える原動力を あの手この手で創出しなければならない。