▼戦争が終わって70年が過ぎた。そんな節目だからこそ、日本が戦後、大切に磨いてきた平和主義の理念のかけがえのなさを再確認したい

 ▼「平和の存続を切望する国民の意識に支えられ、わが国は今日の平和と繁栄を築いてきました」。きのう行われた全国戦没者追悼式での天皇陛下のお言葉に、多くの人がそうした思いを強くしたのではないか

 ▼その中に、「さきの大戦に対する深い反省」という文言が初めて盛り込まれた。今年4月、天皇、皇后両陛下が太平洋戦争の激戦地となったパラオのペリリュー島を訪れ、犠牲となった全ての戦没者を追悼し、平和を祈った姿を思い出した

 ▼終戦の日の前日、安倍晋三首相が戦後70年にあたっての談話を発表した。そこでは、歴代の内閣が近隣諸国への謝罪を続けてきたと紹介するなどの形で、「痛切な反省」「心からのおわび」「侵略」「植民地支配」に言及した

 ▼さらに、こんな決意を示した。「平和国家としての歩みに、私たちは静かな誇りを抱きながら、この不動の方針をこれからも貫いてまいります」

 ▼一方で、国会審議が続く安全保障関連法案に対して、国民の間で「不戦の誓いが揺らいでいる」との危惧が広がっている。法案は談話と整合するのかという声もある。何よりも本当の意味の不戦と平和を堅持したい。岐路に立つ今、痛切に思う。