▼高崎市本町の老舗「このえパン」。道路に面した壁面に数点の絵が飾られ、買い物客や歩道を歩く市民が、じっと見入っている

 ▼絵の作者は近くの障害者通所施設「アトリエ アート・オン」で創作に励む神宮和也さん。絵を飾り始めたのは今春、神宮さんが個展のチラシを持ってきたことがきっかけだった

 ▼同施設は障害者の創作を支援している。ただ、ビルの4階にあるためか立ち寄る人は少なく、作品を知ってもらう機会を増やすことが当面の課題だ。それを聞いた同店の石附一利社長が店内に飾ることを提案した

 ▼アート・オンによると、普通の市民や買い物客の目に触れる場所に作品を飾ってもらうのは初めて。より多くの人に作品を見てもらえることが、障害者の励みになっているという

 ▼石附社長も気付いたことがある。「店が明るくなり、にぎわいが生まれつつある」。商店街には閉店した店が少なくないが、商売をしなくてもシャッターを上げ、ショーウインドーの一部に絵を飾ってもらえれば、街を歩く人が増えるのではないかと期待する

 ▼絵を飾る店が増えたからといって、すぐに人の流れが変わり、にぎわいが戻るとは限らない。それでも商店街の活性化や障害者支援につながりそうな気がする。小さな試みを積み重ねることで、大きな流れを作り出せるかもしれない。