「寂しさも悔いもない。多くの人に支えてもらった」と振り返る田中さん

 群馬県沼田市上発知町の観光施設「サラダパークぬまた」が昨年中に最後のイベントを終え、30年の歴史に幕を下ろした。地域の芸術、文化の発信拠点として多くの市民に愛されてきた同パーク。イベントの会場となる「もりの館」の館長として10年間、展示会やコンサートなどのプロデュースを全て1人で手掛けてきた田中博さん(74)は「多くの人に応援してもらい、ありがたかった。目いっぱいやり遂げた」と話している。

 同パークは地元の農業振興などを目的に1991年度にオープン。約1万9千平方メートルの敷地内に、公園や温室、管理棟などを持つ。NPO法人「郷土利根沼田を守る会」が2012年から指定管理者として運営してきた。指定管理は本年度末までだが、冬季は休館となるため、実質の営業終了となる。

 10年間で企画されたイベントは計376回。書や陶芸、絵画、絵手紙といった展示会、コンサートと幅広く、田中さんは「多くの作家が育った」と手応えを語る。

 20~21年は、新型コロナウイルス感染症の影響で計16回のイベントが中止になったが、昨年10月には集大成となるコンサートを同市の利根沼田文化会館で実施した。11月に、これまでの企画展を振り返る「10年のあゆみ展」を開き、全ての企画を終えた。

 運営は今後、民間事業者に代わり、グランピング施設などとして生まれ変わる予定。作家の活躍の場も、テラス沼田などに移る。田中さんは「地域に埋もれ、今後活躍するであろう作家を、これからはのんびり発掘したい」と充実感をのぞかせた。