デコパウチと出合ったことで「前向きに日々を送れている」と話す門倉さん

 事故や病気などにより、人工肛門を造設している保有者「オストメイト」。自らの意思で排せつを制御できないため、排せつ物を受け止める装具「パウチ」を常に装着して生活しているが、そのことを思い悩む当事者も多い。そうした中、パウチに絵を描いたりデコレーションをしたりして、明るく日々を過ごそうとする取り組みがインターネット上で広がっている。参加する門倉美恵子さん(52)=高崎市貝沢町=は「独りで悩まず少しでも明るく過ごすため、本県の当事者にもっと知ってほしい」と呼び掛けている。

 門倉さんは2018年、安倍晋三元首相も苦しんだ難病の潰瘍性大腸炎を患い造設手術を受けた。手術は成功したが、しばらく変化を受け入れられずにショックでふさぎ込んだという。そうした中で、オストメイトであることを隠さずに活動するオストメイトモデルの姿を見て、「考え方が変わった。前向きに生きられるようになった」と振り返る。

 本名を伏せて会員制交流サイト(SNS)で仮名の「島岡由真」としてアカウントを作成し、オストメイトであることを明かすと、同じ境遇の人と出会い、悩みを共有できた。「オストメイトになるかもしれない」という人からの相談を受けることもある。

 21年夏に、全国のオストメイトらのSNS上のグループ「オストメイトといっしょ!秘密結社 アッと ストーマ」を知った。参加者がデコレーションを施した「デコパウチ」をSNS上で見せ合い、楽しんでいたことから、門倉さんも制作を開始。パウチにカラフルなネイルシールを貼ったり、絵を描いたりして作品に仕上げた。

 グループは先月、「デコパウチコレクション」と題してオンラインイベントを開催した。サイトには現在も、参加者が自由に飾り付けたデコパウチ約260点の写真が紹介されている。

 服を着るとパウチは見えないが、門倉さんは「逆に見えにくいからこそ、陰でつらい思いをしている人も多い」と強調する。県内にはこうした活動を知らない人がいるとして、「イベントやデコパウチを県内の当事者や家族にも知ってほしい。少しでも明るく生きるきっかけになれば」と呼び掛けている。

 作品の閲覧は「デコパウチコレクション」のサイト(https://sites.google.com/view/dpc2021/)へ。