▼英語のスポーツ、SPORTSはラテン語のデポラターレ、DEPORATAREから生まれた言葉。もともとは「余暇」「レジャー」「祭り」など、日常生活とは異なる特別な遊びの時空間をさしたようだ

 ▼スポーツ評論家の玉木正之さんによると、それがディスポルト、DISPORTとなったが、DISもPORT(港)も基本的に「離れる」という意味で、「日常の労働から離れる遊びの時空間」こそスポーツという言葉の本義だという

 ▼「日常の労働から離れる遊び」が繰り広げられるべき2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアム、新国立競技場の建設計画が迷走している。当初1300億円と想定した総工費が最終的な計画で2520億円に膨らんだからだ

 ▼建築家、安藤忠雄さんが委員長を務めた審査委員会が国際公募で採用した新競技場のデザインは屋根を支える2本の巨大アーチが特徴

 ▼その斬新さが五輪招致の原動力となる一方、コスト増加の要因となり、批判が噴出した。安倍晋三首相はこれを踏まえ、変更は困難としてきた姿勢を転換、計画見直しを検討する考えを示した

 ▼2520億円という 巨費は08年北京五輪の5倍、12年ロンドン五輪の3.1倍。そんな主会場では出場選手も「日常の労働から離れる遊び」を繰り広げる以前に萎縮してしまいそうだ。