▼室町時代から戦国時代にかけての武将、大名に北条早雲がいる。小田原城を拠点に相模を平定、北条氏の関東制覇の基礎固めをする一方、家臣に早寝早起きなどを奨励する家訓を残したとされ、その方面でも名を残す

 ▼日常生活での注意点や心得を記した家訓は「早雲寺殿廿一箇条(そううんじどのにじゅういっかじょう)」。第1条に神仏を敬うことを掲げ、早起き早寝の励行は続く2条、3条に登場、夜は8時前には寝るべきだと説く

 ▼その理由は夜盗は必ず深夜に忍び込んでくるから。無用の長話で就寝が遅くなれば、家財を取られることになる。だから、夜は8時前に寝て、朝は4時前後に起き、6時前には出仕せよと記す

 ▼安倍晋三首相が呼び掛ける朝型勤務がきょうから、霞が関でスタートする。夜盗の侵入防止が目的ではむろんない。国家公務員に定時退庁を促して、長時間労働の抑制を図るのが狙い。地方の出先機関も含め約22万人が参加する見込みだ

 ▼勤務開始を通常より1~2時間早め、定時に帰宅する取り組みは夕方の時間を子育てや趣味に生かす意味で「ゆう活」と呼ばれ、来月末まで続ける

 ▼政府は「夏の生活スタイル変革」を民間にも浸透させるべく経団連に協力を要請したが、環境が整わないままの「大号令」は、かえって長時間労働を助長、世界的に見て少ない日本人の睡眠時間をさらに削りかねない。