▼俗に「飲む打つ買う」と言えば、男が道楽の限りを尽くすこと、と辞書にある。だが、鎌倉の名刹、瑞泉寺住職で歌人の大下一真さんによると少し違うらしい

 ▼高齢化の進展で「飲む」は薬、「打つ」は鍼(はり)、「買う」はサプリメントだという。大下さんの場合、肝臓をいたわるウコンのほかに、どんなサプリを買うかは秘密だそうで〈地上より消えゆくときも人間は暗き秘密を一つ持つべし〉と放浪の歌人、山崎方代の歌を引いて笑わせる

 ▼健康に関心が高まる中、桐生市にだれでも気軽に参加できる「モーニングスイート」という健康づくりの団体がある。会費、会則はなく、参加は自由。日曜を除く毎朝6時から30分間、天候にかかわらず活動している

 ▼発足は1985年。当時の市体育協会長で医師の山田嵓(いわお)さん(故人)が呼び掛け、元宿町の陸上競技場を開放して始まった。季節によって人数は変わるが、現在は70代を中心に高校生まで35人が集い、ストレッチやウオーキングに汗を流す

 ▼発足当初から参加している青柳冨美江さん(90)は「朝の空気、太陽の光が気持ち良く、友だちもできる。健康はモーニングスイートのおかげ」と喜ぶ

 ▼平均寿命は延びたが、大切なのは介護を受けたり寝たきりになったりしない健康寿命。体を動かして「飲まぬ打たぬ買わぬ」生活にシフトしたい。