▼有権者にとって「選挙」が遠い存在になりつつある、という危機感を抱いている。昨年12月の衆院選、ことし4月の統一地方選の県議選、首長選、議員選の投票率は過去最低を更新した。いずれも 50%前後で2人に1人は棄権したことになる

 ▼きょうから知事選がスタートする。人口減少対策への道筋、子育て支援策、コンベンション施設計画、企業誘致の取り組み…。県政の課題は山積している

 ▼これらが論戦の中心となるだろう。確かに重要だが、切実なのは日々向き合っている生活不安ではないか。非正規で働く子どもたちの将来や認知症を患った親の介護、広がる子どもの貧困

 ▼厚生労働省の調査で子どもの貧困率は16・3%(2012年)で6人に1人に上る。見逃せない数字であり、社会全体で認識しなければならない。国は貧困世帯への学習支援を求めているが県内で実施しているのは3市だけだ

 ▼介護保険制度が始まって15年が経過するが、認知症介護の負担の多くは家族に依存している。認知症だけでなく、介護のために離職する事例も増えている。働き盛りの40~60代が大半で企業側の損失も大きい

 ▼困難と向き合っている当事者が声を出して訴えるケースは少ない。表に出にくい問題に、いかにアプローチしていくか。一歩踏み込んだ 論戦によって「選挙」を近づけてもらいたい。