「挑戦することでお客さんからの信頼にもつながる」と話す永井社長

 プレス金型の設計・製造を手掛ける。経済産業省が地域経済の中心的な担い手になり得る企業を認定する「地域未来けん引企業」にも選ばれた。大手からの注文に頼る企業体質から脱却すべく、永井慎也社長(42)が世代交代を機に改革に乗り出した。最新設備の導入や人材育成を進めた成果が徐々に見え始めている。

 金型を装着したプレス機で金属板を挟み、部品をくりぬいたり、変形させたりするプレス加工は、短時間で部品を大量生産できる。一方、1点ずつオーダーメードとなる金型は、型の変更がない限り同じ物を使い続けるため、注文が単発で終わってしまう。会社として生き残るためには新規契約を探し続けなければいけない。

 同社は永井社長の祖父が創業した。当時は旧三洋電機からの受注が多く、「三洋電機があれば大丈夫」と受け身に構えていたという。だが時代の変化とともに経験や勘に頼る職人気質は通用しなくなり、苦しい時期が続いた。

 変化できなければつぶれてしまうと、2017年に永井社長が引き継いだ。大きすぎる投資かもしれないと不安だったが、最新設備の導入を決めた。従業員の人間力も高める必要があると考え、人材育成に力を入れ、新年度は初めて新卒者3人を採用する。

 新たなことをやろうとするたびに社内からは「うちなんかがやることじゃない」などと言われたが、雰囲気は変わった。最新設備の生産能力は高く、売り上げも伸びた。最近はデジタル技術を活用して同業他社が協力できる仕組みを構築できないかと模索する。

 永井社長は「この仕事は一生をかける価値がある。地域産業を元気にして、次世代につなぐには今から動かないと」と意気込む。

これも自慢

 歴史を感じる工場の奥に、外観からは想像できないおしゃれな会議室がある。設置された大画面モニターは、映した設計図に電子ペンで書き込むことも、大人数でのオンライン会議もできる。従業員は観葉植物に囲まれた空間でアイデアを出し合っている。

【会社メモ】1961年創業。資本金300万円。従業員は14人。自動車関連部品などを幅広く請け負う。