▼日本とトルコが友好関係を築く端緒となった軍艦「エルトゥールル号」の遭難から125年。遭難現場である和歌山県串本町沖できょう、トルコ軍艦「ゲディズ」も参加して洋上追悼式が開かれる

 ▼「エルトゥールル号」は1890年9月、悪天候により座礁して沈没。乗組員ら500人以上が犠牲となる中、地元住民の献身的な救助活動で69人が一命を取り留めた

 ▼この惨事に、生存者や犠牲者の遺族に贈る義援金募集のキャンペーンを展開したのが山田寅次郎(1866~1957年)。幕末に上州沼田藩の家老の次男として生まれた山田は演説会などで集めた義援金5000円(現在の約1億円)を携え、単身イスタンブールに渡る

 ▼当地では「民間大使」として日本文化を伝えたり、青年士官に日本語を教えたり、トルコ貿易の先駆者として活躍し、両国の橋渡し役を果たした

 ▼この山田について、東京・神宮前のワタリウム美術館は、東京築地本願寺の建築家として知られる伊東忠太との交流をテーマにした研究会(今月19日)を導入部に、来月から「山田寅次郎研究会」をスタートさせる

 ▼11月までの4回にわたり、作家、幸田露伴との交友や茶人としての山田にスポットを当てる。軍艦遭難から125年のことしは、幼少期を群馬で過ごした快男児にあらためて光が当たる年ともなりそうだ。