▼休日に千葉・佐原(香取市)を訪ねた。江戸時代をほうふつとさせる商都の景観が残り、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されている。今も営業を続けている商家が多く、まさに「生きている町並み」だ

 ▼利根川の支流が町の中央を流れ、「江戸まさり」と言われるほど舟運で栄えた。古い道具類など自慢の宝をそれぞれの家で公開する、独自の「まちぐるみ博物館」も人気だ。歴史景観に住民の知恵が付加され、町が活気づいていた

 ▼本県の重伝建は、桐生市桐生新町と中之条町六合赤岩の2カ所で、いずれも4月に文化庁から日本遺産に認定された。保全が強く求められるユネスコの世界遺産と違い、日本遺産は地域の活性化が主眼。「クールジャパン」戦略の一環として外国人旅行者の増加を狙う

 ▼桐生はのこぎり屋根の工場や土蔵など絹織物業にかかわる建物が並び、六合赤岩は山村の養蚕集落。町並みの特色では負けていない

 ▼地元は認定をきっかけに来場者増に期待を寄せる。絹というテーマ性から世界遺産と連携した観光ルートの構築もおもしろい。重伝建に日本遺産というお墨付きが加わった 強みを生かしたアピールもできる

 ▼追い風が吹いているのは確かだ。地域住民が誇りを持ち、知恵を出し合い、官民挙げて全国発信していくことで、認知度を高めていきたい。