▼きょうは歌人、石川啄木(1886~1912年)の忌日。少し前、評論「時代閉塞(へいそく)の現状」を読み返したところ、訴える力の強さに思わず傍線を引いた箇所がいくつもあった

 ▼たとえばこんな言葉だ。〈我々は今最も厳密に、大胆に、自由に「今日」を研究して、そこに我々自身にとっての「明日」の必要を発見しなければならぬ〉

 ▼書いたのは、亡くなる2年前の1910(明治43)年夏で、24歳のとき。日露戦争後に強まっていた社会不安、そして思想弾圧(大逆事件)に対する思いであり、息苦しい現実を変革していこうという主張だった

 ▼前橋市出身の思想家、松本健一さん(故人)は、この評論を、煩悶(はんもん)するばかりだった明治末の青年たちに対する檄(げき)の意味があったとし、〈(青年たちに)これこそじぶんたちの言葉だ、と鼓舞する性格をもった〉ととらえる(筑摩書房『石川啄木』)

 ▼統一地方選前半戦の県議選は、9人の無投票当選を除く11選挙区の41議席が、きのうの投開票で決まった。前回、初めて50%を割り込んだ投票率は、45・14%と、さらに下落する残念な結果となった

 ▼特に若い世代の関心の低さは深刻だ。明治末とは状況は異なりながらも閉塞感は強まり、選挙を通じ政治に参加することの重要性は増している。新県議には、存在感を示し若者たちを鼓舞する仕事も期待したい。