▼巨大な間欠泉や七色の泉、黄色い岩の峡谷-。西部開拓の探検隊が目にした驚異の景観は、自然保護という価値観を生む。米国のイエローストンが世界初の国立公園に指定されたのは1872年のことだ

 ▼日本の国立公園では3月末、本県と長野、新潟3県にまたがる上信越高原国立公園のうち、飛び地となっていた西側約4万ヘクタールが分離。国内32番目となる妙高戸隠連山国立公園が誕生した

 ▼新旧の公園とも「高原」「連山」の名が示すように、魅力ある峰々がそびえる。深田久弥の『日本百名山』に照らし合わせると、上信越高原はこのうち5座、妙高戸隠連山は4座を含んでいる

 ▼両公園の本元であり、1949年に指定された上信越高原には岩壁がそびえ立つ谷川岳、鬼押出しを生んだ活火山の浅間山、高層湿原を抱える草津白根山などがあり、周囲には温泉が点在する

 ▼一方、火山と非火山が連なって変化に富んだ高原や湖沼をつくりだした妙高戸隠連山には、優美な裾野を広げる妙高山をはじめ、ライチョウの国内北限地という貴重な生態系が残る火打山もある

 ▼妙高戸隠地域は今、新公園誕生と北陸新幹線開業に沸き立っている。面積で上信越高原の4割を占める本県も負けてはいられない。悠久の時をかけて大地が創造し、守られてきた景観の価値を見直し、観光客を呼び込みたい。