▼入社1年目でも客からは“おもてなしのプロ”として見られる。北毛の温泉地で出会った旅館従業員は、やりがいと戸惑いを感じながら高校卒業後の1年を過ごしてきた

 ▼ベテランに交じり懸命に働いたが、やはり能力の差は埋め難い。ただ、サポートを受けて多くの現場を踏んだことは自信にもつながった。経験を生かし、今度は後輩にアドバイスできればと思っている

 ▼自然や食とともに、観光地を訪れた人の印象を大きく左右するのが接客を担う人材だ。少子化が進む中、限られた「金の卵」をいかに発掘、定着させていけるか。宿の魅力を高めるためにも、経営側は優秀なスタッフ確保が大きな関心事になっている

 ▼もちろん旅館だけではない。温泉街の飲食店経営者からは、事業拡大に踏み切れない現状を聞いた。自慢の味を守った上での多店舗展開には店を任せられる人材が欠かせないが、なかなか難しい

 ▼昨年は大手飲食チェーンも人員確保がままならず、店舗休業を余儀なくされた。外国人観光客増加など明るい話も聞かれる温泉業界だが、ニーズがあっても支える人がいなければ商売にならない

 ▼4月から県北の温泉地でも貴重な新戦力がデビューする。現場で悩み、戸惑う場面もあると思うが、経験はきっと今後の糧になるはずだ。観光群馬を背負っていく若い力を応援したい。