▼あの日から4年たった。毎年この時期、胸が締め付けられるような思いでいた日々がよみがえる。何をしていても、大津波の映像が頭を離れない

 ▼先月、高崎市美術館で開かれていた「有元利夫展 天空の音楽」を見た。30年前、38歳の若さで亡くなった画家の、静かに花びらや人が宙を舞う絵を前にして、気持ちが安らいだ

 ▼〈陶酔感は僕のなかで浮遊に結びつく。だから、それを絵として表現したい時(略)「天に昇」らせてしまうわけです〉。図録に有元さんの言葉があった。画家が描いた、日常のなかの浮き立つ心を、何とかけがえのないものだろうと思う 

 ▼〈「書」を書くことは問いです(略)文字は人の心の投影です〉。詩人、書家の住谷夢幻(本名・岡田芳保)さん(78)がそうとらえる書作品の並ぶ個展(前橋・ノイエス朝日、15日まで)を見ると、作者の心に渦巻くものの激しさに圧倒される

 ▼昨年の同じ時期、ここで「3・11フクシマ」を開いた。展示したのは、被災地を歩いて日常が失われることの過酷さを目の当たりにし、突き上げてくる情念を書きとめた作品だ

 ▼その思いは今年も変わらない。書を瓶につめた作品などで構成する「翻弄(ほんろう)されるフクシマ」には、真の復興への願いが込められる。表現者の作品のなかで 大震災は風化することなく、私たちの生き方を問い続けている。