▼「金沢延伸」を14日に控える長野新幹線に乗るたび、「この静けさもあとわずかか」と惜しんでいる。時間帯にもよるが、比較的すいていて快適な列車が多かった。しばらくは観光客を中心に乗車率が高まるだろう

 ▼列車内で自由に読め、持ち帰りもできるJR東日本発行の月刊誌は盛んに北陸の食や名所を宣伝する。富山のズワイガニやシロエビ、百万石の城下町が育んだ郷土料理を見ると、行って食べたくなる

 ▼北陸はぐっと身近になる。関東方面からJRで金沢を目指す場合、今は上越新幹線と北越急行ほくほく線を乗り継いで東京―金沢間が約4時間。北陸新幹線なら最速の「かがやき」で2時間28分に短縮される

 ▼30年前になるが、金沢大学の友に会うため、上野から寝台特急に乗った。確か午後10時発で真夜中に碓氷峠を越えた。眠っていて耳抜きができず、山登りの気圧差で耳が痛くなった

 ▼とにかく山越え谷越え、はるばる着いたという感じだった。金沢の街は落ち着いたたたずまいで魚がうまく、山代温泉の旅館も風情があって気に入った。またすぐ訪ねるつもりだったが、遠くてそれっきりに

 ▼魅力あふれる北陸は観光立県を目指す群馬にとって強力なライバルになるだろう。次以降のダイヤ改正で、高崎通過の列車を増やさないよう、行政や経済界が一層連携を強めたい。