▼報道機関のカメラマン、記者が撮影した作品で2014年を振り返る報道写真展が横浜市の日本新聞博物館で3月29日まで開かれている。国内外のニュースの最前線でシャッターを切った280点が並ぶ

 ▼ソチ冬季五輪、サッカーW杯、韓国の旅客船沈没事故、世界遺産登録された富岡製糸場、総選挙―。関係者の喜怒哀楽を含め、一瞬を切り取った迫力は来場者を引きつけ、考えさせる

 ▼各月ごとに並ぶ作品を見て、自然災害の多さ、怖さをあらためて痛感した。戦後最大の火山災害となった御嶽山の噴火、2月の大雪、台風による豪雨、家屋倒壊を引き起こす地震。現場に立ち尽くす住民

 ▼中でも印象に残ったのは8月の広島市の土砂災害だ。緑の山肌に土砂崩れの爪痕がくっきり入っている。山から崩れた土砂が家屋をのみ込み、住宅街が変容した。当時何度も報道された写真だが、強いメッセージは変わらない

 ▼土砂災害の危険箇所でありながら、住宅が密集していることが一目で分かる。この後、「警戒区域」の指定促進を目指す改正土砂災害防止法が国会で議論され、成立した。12月の総選挙では自民党は災害に強い国づくりを前面に掲げた

 ▼一枚の写真の力は大きい。月日が過ぎると忘れてしまいがちな教訓を伝え続ける。脳裏に焼きつけ、減災、防災への意識を常に持っていたい。