▼〈私の心は最高の孤独をいだき/民衆の中にとびこんで行く〉。多くの詩、手記を残して17歳で自殺した桐生市の長沢延子(1932~49年)の作品「告白」の最終連である

 ▼そこにあるのは、〈純粋な魂と言葉をもって、時代と歴史にかかわり、ダイレクトにぶつかっていこうという意志〉だと教えてくれたのは、昨年末、80歳で亡くなった同市の詩人、久保田穣ゆたかさんだった

 ▼〈冬の昏(くら)い天の一角から突如現われ、みごとな直線の光芒を放ちながら(略)瞬時消えていく流星のように…〉。長沢の遺稿集を初めて手にしたときの〈こころの震えと驚きの感情〉を、2008年に出版した『群馬の夭折(ようせつ)の詩人たち』でつづっている

 ▼久保田さんの訃報に接し、同書を読み返した。長沢をはじめ、中沢清、島田利夫、富岡啓二ら早世した8人の詩人に光を当てている。敬愛と愛着のこもる論考に、あらためて強く引き込まれた

 ▼夭折の詩人を追う理由を久保田さんに聞いたことがある。答えはこうだった。「彼らの詩を読むと、精神が洗われ、人間が人間であることの大事さを感じさせてくれる。そして、それぞれがぼくに、『生きよ』と呼びかけている」

 ▼草津町のハンセン病療養施設の詩人と交流を重ね、まとめた『栗生楽泉園の詩人たち』とも重なる姿勢である。久保田さんの純粋な魂と言葉がそこにある。